「広域顕微鏡」という見慣れない言葉を目にした.wide-field microscopyを訳したものと思われる.今日現在,Googleで1件もヒットしないので"新訳"のようだ.「広域蛍光顕微鏡」もヒットなしだった.調べてみると,接眼レンズや望遠鏡ではwide-fieldを「広視野」と訳しているようだ.bright-fieldが「明視野」,dark-fieldが「暗視野」なので対応はとれている.near-fieldは「近接場」と書かれることが多いが,光学用語では「近視野」とも書き,far-fieldは「遠視野」らしい.
そもそも共焦点顕微鏡(confocal microscopy)と比較する文脈において従来の蛍光顕微鏡がwide-field [fluorescence] microscopyと書かれていることが多いが,実はwide-field microscopyの定義や,何をもって"wide-field"なのかについてきちんと理解できていない.走査型顕微鏡のように点走査や線走査でなく視野を平面として一度に撮るからwideなのか,PSFがZ方向にwide(つまりボケる)なのか,それとも他に語源があるのか? 直接関係ないが,light field microscopyというのが面白い. http://graphics.stanford.edu/papers/lfmicroscope/ マイクロレンズアレイを光路に入れ,フォーカスを動かさない一度の撮影で得られる画像から連続光学切片を抽出するようだ.デモ用ビデオを見ると感覚的にはわかったような気になる.ビデオの結びで「この立体データは一枚の写真から再構築した」と強調しているのがかっこいい.ただしざっと見た限りでは細胞内構造レベルの強拡大像についても利用できるのかわからなかった.
by edogawadai_bio
| 2007-04-27 21:31
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